My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 6【最終章】
「それと、そのブゥとかいうモンスターにやられた仲間もさっき目が覚めたよ」
「ほんとに!? 良かったぁ」
ほっと胸を撫でおろす。だがアヴェイラは真剣な顔つきで続けた。
「でもね、まだ仲間たちはあんたのことを疑ってる。この部屋からは極力出ないことだね」
「う、うん。わかった」
ごくりと喉が鳴る。
「と、そうと決まれば早速歌の練習の続きだ! 次はどうするんだい?」
一転、うきうきとした顔で言われて先ほど考えていたことを思い出した。
「その前にアヴェイラに訊きたいことがあるんだけど」
「なんだい? なんでも訊いておくれよ!」
「グリスノートのことを教えて欲しいの」
「はぁ?」
途端、その顔があからさまに不機嫌になって慌てて言い直す。
「アヴェイラとグリスノートのことを教えて欲しいの! ふたりがいつどうやって出会ったとか、そういう思い出話が聞きたいなと思って」
「……それは、歌に必要なことなのかい?」
「うん、すっごく必要なことなの!」
力を込めて言うと、アヴェイラはまだ少し怪訝そうだったが小さく息をついて頷いてくれた。
「わかったよ。……あたしがあいつと出会ったのは、もう7年前になるか」
アヴェイラがベッドに腰掛けて、私もその隣に座る。