ヤマジ君の…ヒミツ★
あたしまで彼から目がそらせなくなってきた。

やがてヤマジ君の桜色の唇が開いて、そこから甘美な声が漏れる。




「……桜坂さん」


「いいえ。どういたしまして」


「桜田ですけど……」というあたしの声は、「こるぁ、ヤマジ――!」という荒々しい声に掻き消された。


ヤマジ君と二人して振り返ると、そこには、ぜーぜーと息を切らした工藤聡史がいた。


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