夢みたもの

航平の秘密

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航平は家に居る筈‥‥

何となくそう確信したあたしは、学校を後にすると脇目も振らず家を目指した。


自分の気持ちに正直に‥‥


今は、航平と話がしたい。

その気持ちだけがあたしを突き動かしていた。



「‥‥あら ひなこちゃん?」

「‥‥?」


家まであと半分という処で、突然背後から声をかけられた。

振り返る事すらもどかしく感じながら、それでも振り返ったあたしは、声の主を確認して少し動揺した。


そこに居たのは‥‥航平の母親。

買い物帰りなのか、色々な大きさの荷物を両手一杯に抱えている。


「おかえりなさい。‥今帰り?」

「‥はい。‥あ、手伝います」


あたしは慌てておばさんに駆け寄ると、荷物のいくつかを手に取った。


「ありがとう。ちょっと買い過ぎちゃって‥‥」


フフッと恥ずかしそうに笑うと、おばさんはあたしに笑いかける。


「急いでるんじゃない?大丈夫?」

「あ‥全然大丈夫です」

「そう?じゃぁ、お願いしても良いかしら‥?」


あたしは小さく頷くと、おばさんの横に並んで歩き出した。



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