夢みたもの
「諦めるのは、まだ早いんじゃない?」
落ち込むあたしを後押ししてくれたのは航平だった。
「ひなこは、まだ何もしてないよ?会えなくなるかもしれないなら、こっちから会いに行こう?」
戸惑うあたしの顔を覗き込んで優しく笑う航平に、あたしは自然と頷き返していた。
初めて訪れた葵の家。
『一之瀬』という表札が掛かった古い大きな門を通り抜けると、一本の長い砂利道が続く。
その両側には、テレビで見るような立派な日本庭園。
飄々と歩く航平の隣で、あたしは場違いな処に来てしまったと後悔しながら、小さくなって歩いた。
ちょうどその日は、葵の母親の通夜の晩。
やがて、歴史を感じさせるような佇まいの立派な日本邸宅が見えてくると、弔問客の列が出来ていた。
「ね、やっぱり帰ろう」
航平の制服の裾を引っ張って、あたしは小さく呟いた。
あたしと航平が居るには、余りにも場違い過ぎる処だと、足が竦んで動けなかった。
「場違い過ぎるよ」
「何で?」
足を止めた航平は、真っ直ぐな視線をあたしに向けて、小さく首をかしげた。
「俺達はクラスメイトに会いに来ただけだよ?」
落ち込むあたしを後押ししてくれたのは航平だった。
「ひなこは、まだ何もしてないよ?会えなくなるかもしれないなら、こっちから会いに行こう?」
戸惑うあたしの顔を覗き込んで優しく笑う航平に、あたしは自然と頷き返していた。
初めて訪れた葵の家。
『一之瀬』という表札が掛かった古い大きな門を通り抜けると、一本の長い砂利道が続く。
その両側には、テレビで見るような立派な日本庭園。
飄々と歩く航平の隣で、あたしは場違いな処に来てしまったと後悔しながら、小さくなって歩いた。
ちょうどその日は、葵の母親の通夜の晩。
やがて、歴史を感じさせるような佇まいの立派な日本邸宅が見えてくると、弔問客の列が出来ていた。
「ね、やっぱり帰ろう」
航平の制服の裾を引っ張って、あたしは小さく呟いた。
あたしと航平が居るには、余りにも場違い過ぎる処だと、足が竦んで動けなかった。
「場違い過ぎるよ」
「何で?」
足を止めた航平は、真っ直ぐな視線をあたしに向けて、小さく首をかしげた。
「俺達はクラスメイトに会いに来ただけだよ?」