夢みたもの
「告白したのは去年だよ」


鞠子は嬉しそうに笑う。


「入学当時から、ひなこと航平君の噂は知ってたけど‥、噂が間違ってるって知ってたし。航平君みたいにカッコイイ人‥‥初めて出会ったんだもん」

「それで告白したの?」

「うん」

「へぇ‥‥ちょっと見直したわ」


葵が感心したように鞠子を見つめた。


「無謀ではあるけど‥」

「そんな事ないよぉ。鞠子、後悔してないもん」


「航平君の事、もっと好きになったもん」そう付け加えると、鞠子はあたしに笑いかけた。


「鞠子が告白した時ね、航平君‥優しく笑って『ありがとう』って言ってくれたの。『好きになってくれて嬉しい』って。ただ、自分にはひなこ以外考えられない。だから‥‥受ける事は出来ないって」

「‥‥」

「それから、鞠子はひなこの友達だから‥‥失礼な事だって分かってるけど、ひなこの側に居てあげて欲しいって。航平君、鞠子に頭を下げたんだよ?」

「‥‥え?」

「ひなこは寂しがり屋だから。鞠子が側に居てくれたら嬉しい‥って」


「‥‥それ‥」


つい最近‥‥

全く同じ言葉を聞いた。


「それって‥」

「そう!鞠子もビックリしたの」


あたしの意図を理解したのか、鞠子は笑って頷いた。


「この前、叶君が言った言葉と同じだよね?」



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