夢みたもの
「それとも、読むのが怖い?」


畳み掛けるようにそう言うと、崇さんは眼鏡をかけて母を見つめた。


「どうしよう‥って顔してるよ?」

「そんな事‥‥」


そう言いかけた母は、ため息を吐きながら首を横に振った。


「そうね‥怖いわ」

「‥‥」

「何が書いてあるんだろう‥って」

「姉さんからの手紙より事細かに書かれてるのは間違いないよ」


「ただ‥」崇さんはそう言って言葉を続ける。


「ひなこちゃんの為にも、恵さんの為にも‥‥読んで欲しい」

「‥‥」


「返すのはいつでも構わないから」


崇さんはそう言って、穏やかに笑った。





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