夢みたもの
  ・──・‥…・…‥・──・


ひなこに出会ってすぐ、私が恵とひなこに関わる事を調べ始めたのは、私に出来る、せめてもの罪滅ぼしだった


恵が姿を消してから、私達家族はギクシャクしていた

僅かな歪みが、年を重ねる毎に大きな溝になり‥‥

私達は、大切な家族を失いかけていた



だから、ひなこが現れた時

私は、私達家族に与えられたチャンスだと思った

私達家族がもう一度やり直す為の、最後のチャンスかもしれないと



ずっと‥恵への仕打ちを後悔していた詩織

ひなこを今の状況に追いやったのは自分だと

ひなこを幸せにしなくてはいけないと‥‥


詩織はひなこに出来る限りの事をする事で、恵に謝罪していたのだと思う



ただ、詩織は恵にその事を素直に言えなかった


恵に会った時

詩織は、昔のように恵をなじった


母親としての自覚がない

手放すぐらいなら、あの時‥堕ろすべきだった

ひなこを酷い目に遭わせて、こんなに長い間放っておいて、今さら親だと名乗る資格はないと‥‥



それは、詩織の口から言って良い言葉ではなかった

そして、昔と同じように、それを止められなかった私にも、重い責任があると自覚している



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