夢みたもの
「編入生の先輩は分かりませんけど・・・」


少し頬を赤くして微笑む。


「堤先輩は何でも出来て優しいし、宮藤先輩は陸上部のエースで生徒会長・・・クールで格好良いって、皆の憧れなんですよ?」

「へぇ・・・?」


航平の事より、宮藤君の評価が興味深くて、あたしは結花ちゃんの話に相づちを打った。

この前、音楽室の前で会った時の印象が強過ぎて、宮藤君はあたしの中で『油断ならない』という印象が強い。

でも、他の人から見れば、彼はクールで格好良いという評価になるらしい。


初対面での彼の言動が良くなかったのか

興味を持てないあたしが変わっているのか


たぶん どっちもだ。



あたしはこっそり苦笑すると、結花ちゃんに笑いかけた。


「で?結花ちゃんは誰が好きなの?」

「えっ!?」


一瞬目を見開いて、数回まばたきをした結花ちゃんは、頬をさらに赤くして口籠もる。


「私は別に・・・」

「そうなの?」

「堤先輩も宮藤先輩も、どちらも素敵だと思います」


「2人は皆の憧れなんですよ」そう付け加えると、結花ちゃんは軽く咳払いをして落雁を口に運んだ。

< 76 / 633 >

この作品をシェア

pagetop