夢みたもの
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「今日は学校中その噂でもちきりですね」


放課後。

茶道部に顔を出したあたしに、結花ちゃんは苦笑して言った。


「結花ちゃんは噂の彼を見たの?」

「いいえ?同じクラスに見た子が居ますけど、何だか凄く格好良い人らしいですね?」


「どうぞ」と言って、あたしの斜め前に紅葉を型取った落雁が並ぶ盆を置く。

あたしは盆から落雁を1つ取って懐紙に乗せると、隣に座った部員に盆を回した。


「それにしても、2学年には人気のある先輩が集まってますよね」

「え?」

「生徒会長の宮藤先輩、堤先輩・・・そして、今回の編入生」

「航平も?」


思わず聞き返した。

航平が他の学年から人気があるなんて知らなかった。

鞠子が時々「かっこ良い」と騒いでいるけれど、元々鞠子は航平ファンを公言しているから、大して気にも留めていなかった。

呆然とするあたしに、結花ちゃんはニッコリ笑って頷いた。


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