灰皿
灰皿が白いため息をついた。
安い蛍光灯は安定しない。
凍えるような寒さ、
僕の頭の中は煩かった。
夜になると襲ってくる。
独りになると襲ってくる。
小声で口々に道を指し示してくる。
四方八方に延ばされた道の、
その分岐点に僕は立っていた。
目を開けるのが怖かった。
道の先を見てしまったら、もう戻れないかもしれない。
一番最初に見てしまった道をそのまま闇雲に走らなくてはならないのかもしれない。
灰皿が白いため息をついた。
煙に巻かれて僕は見えなくなった。
< 1 / 1 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

蛾

総文字数/272

詩・短歌・俳句・川柳1ページ

寝首

総文字数/495

詩・短歌・俳句・川柳1ページ

無鉄砲な夜に撃たれて

総文字数/253

詩・短歌・俳句・川柳1ページ

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop