彼は腐女子を選んだ
ほとんど会話もしたことのない人から嫌われたり、目の敵にされても、私には何の落ち度もないのだから、どうしようもない。
腐趣味を気持ち悪がられるのは、まあ、仕方ない。
嫌いたければ嫌えばいい。
気に入らない人間を嫌う自由もあるだろう。
直接的な攻撃をされなければ、それでいい。
「泰然、やな。いいなあ。俺も、そんな風に思えたらいいんやけど。」
ため息まじりに、杉森くんがつぶやいた。
「ほう?悩み相談かい?かまわんよ。何でも言ってみたまえ。」
背筋を伸ばして、上からそう言ってみた。
杉森くんは苦笑した。
「……うん。聞いてくれると、ありがたい。……迷惑かけるかもやけど……。」
「迷惑?」
……てか、ほんまに悩み相談やったのか。
びっくりしたけど、私はホットコーヒーをすすってから、重々しく頷いてみせた。
「よかろう。申せ。」
「……それ、何キャラ?」
「はて?なんやろ。偉そうな上官。上司。うちの兄上。医者ねん。……しゃべりにくい?」
知らず知らずのうちに、テンションが上がって、私、やっぱり、いつもより変だろうか。
自重せねば。
杉森くんは、アイスコーヒーを一口飲んだ。
「いや。自由でいいと思う。……えーと、何から話そうかな。突然で、びっくりさせると思うけど……」
「では、まず要点を言ってみようか。私に頼みたいことって、具体的には、何をするの?理由と説明は後で聞くとして、私に何をしてほしいか言ってみて?」
要領を得ないので、単刀直入に尋ねてみた。
すると、杉森くんの頬が赤く染まった。
なんだ?
なんだなんだ?
様子がおかしいぞ。
動揺で泳ぐ杉森くんの目をじっと見つめて、言葉を待った。
杉森くんは、頬のみならず、首まで赤く染めて言った。
「もし、堀さんに、いま、好きなひとがいなければ、でいいんやけど……」
「三次元には、いない。……ん~?……もしかして、私に、杉森くんの恋人のふりでもしてほしいのか?」
……我ながら笑えるが、杉森くんが私を好きだとはこれっぽちも思わなかった。
杉森くんは、目と口を大きく開き……それから、肩を震わせて……はじけるように笑い出した。
あまりにも、明るく、屈託のない笑いっぷりに、何だか私も楽しくなってしまった。
腐趣味を気持ち悪がられるのは、まあ、仕方ない。
嫌いたければ嫌えばいい。
気に入らない人間を嫌う自由もあるだろう。
直接的な攻撃をされなければ、それでいい。
「泰然、やな。いいなあ。俺も、そんな風に思えたらいいんやけど。」
ため息まじりに、杉森くんがつぶやいた。
「ほう?悩み相談かい?かまわんよ。何でも言ってみたまえ。」
背筋を伸ばして、上からそう言ってみた。
杉森くんは苦笑した。
「……うん。聞いてくれると、ありがたい。……迷惑かけるかもやけど……。」
「迷惑?」
……てか、ほんまに悩み相談やったのか。
びっくりしたけど、私はホットコーヒーをすすってから、重々しく頷いてみせた。
「よかろう。申せ。」
「……それ、何キャラ?」
「はて?なんやろ。偉そうな上官。上司。うちの兄上。医者ねん。……しゃべりにくい?」
知らず知らずのうちに、テンションが上がって、私、やっぱり、いつもより変だろうか。
自重せねば。
杉森くんは、アイスコーヒーを一口飲んだ。
「いや。自由でいいと思う。……えーと、何から話そうかな。突然で、びっくりさせると思うけど……」
「では、まず要点を言ってみようか。私に頼みたいことって、具体的には、何をするの?理由と説明は後で聞くとして、私に何をしてほしいか言ってみて?」
要領を得ないので、単刀直入に尋ねてみた。
すると、杉森くんの頬が赤く染まった。
なんだ?
なんだなんだ?
様子がおかしいぞ。
動揺で泳ぐ杉森くんの目をじっと見つめて、言葉を待った。
杉森くんは、頬のみならず、首まで赤く染めて言った。
「もし、堀さんに、いま、好きなひとがいなければ、でいいんやけど……」
「三次元には、いない。……ん~?……もしかして、私に、杉森くんの恋人のふりでもしてほしいのか?」
……我ながら笑えるが、杉森くんが私を好きだとはこれっぽちも思わなかった。
杉森くんは、目と口を大きく開き……それから、肩を震わせて……はじけるように笑い出した。
あまりにも、明るく、屈託のない笑いっぷりに、何だか私も楽しくなってしまった。