おうちかいだん
おうちかいだん
太陽が沈み、徐々に暗闇が辺りを支配しようとしている。


色んな話を聞くうちに、私の身に何が起こったのか……私はどうなってしまったのか。


そしてあの家は何だったのかを思い出してきた。


私は……藤井リサ。


自宅で殺されて、通っていたこの学校で永い間さまよっていた幽霊。


今まで自分が死んでいることにも気付かず、私に関わる話をずっと集めていたけれど、ようやく何が起こったのかがわかった。


「私は死んでいたのね。でも、どうして学校なんかに」


これは私の予想だけど、きっとあの家は他にも幽霊がいたり、何か危ない秘密があるから、学校に逃げたんじゃないかな。


色んな人に話を聞いて、思い出すうちに何となく理解したことがある。


私の家は確かに幽霊がいたけど……どうしてそんなものがいたのかということだ。


あの不可解な出来事の数は、普通ならありえないし、何か原因があったんじゃないかと考える。


「もしかして……全ての出来事は繋がっていたの?」


廊下の鏡、トイレ、お風呂、台所に階段、そして三面鏡。


今までに聞いた話から推測すると、朧気ながらに不思議な点というのが見えてくる。
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