おうちかいだん
その日から私は夜にトイレに行かないように、寝る前の水分補給は控えたり、幽霊が出る時間に行かなくて済むように眠ったりと、色んな手段を考えた。
その甲斐あって、しばらくは夜に目を覚ましてトイレに行くことはなくなったけれど……それがずっと続くはずもなかった。
夢と現実の境で、トイレに行きたいという想いと眠りたいという想いがせめぎ合って……私は瞼を開いてしまった。
時計を見ると夜中の3時。
今トイレに行けば、確実に幽霊を見てしまう時間だ。
だからと言って、朝まで我慢できるかと言われたら……無理だよこれは。
「うう……嫌だなぁ。お母さん、ついてきてくれないかなぁ」
ベッドから足を下ろして立ち上がると、部屋を出て、一応お母さんの部屋に向かう。
トイレの前を通り過ぎるだけでも悪寒が走るのに、ここに一人で入れというのは無理な話だ。
気味の悪さを感じながら、階段を上がってお母さんの部屋に。
「お、お母さん? 寝てるところ悪いんだけど、トイレについてきてくれないかな……」
襖を開けてそう尋ねると、お母さんは不機嫌そうに顔だけこちらに向けて私を睨み付けた。
「一人で行きなさいって言ったでしょ! お母さんは絶対について行かないからね!」
その甲斐あって、しばらくは夜に目を覚ましてトイレに行くことはなくなったけれど……それがずっと続くはずもなかった。
夢と現実の境で、トイレに行きたいという想いと眠りたいという想いがせめぎ合って……私は瞼を開いてしまった。
時計を見ると夜中の3時。
今トイレに行けば、確実に幽霊を見てしまう時間だ。
だからと言って、朝まで我慢できるかと言われたら……無理だよこれは。
「うう……嫌だなぁ。お母さん、ついてきてくれないかなぁ」
ベッドから足を下ろして立ち上がると、部屋を出て、一応お母さんの部屋に向かう。
トイレの前を通り過ぎるだけでも悪寒が走るのに、ここに一人で入れというのは無理な話だ。
気味の悪さを感じながら、階段を上がってお母さんの部屋に。
「お、お母さん? 寝てるところ悪いんだけど、トイレについてきてくれないかな……」
襖を開けてそう尋ねると、お母さんは不機嫌そうに顔だけこちらに向けて私を睨み付けた。
「一人で行きなさいって言ったでしょ! お母さんは絶対について行かないからね!」