御曹司は魔法使い⁉︎ ② 〜私達、結婚式を挙げます!〜
泉ちゃんの食事が終わるまで、女同士で集まって話していると、私のスマホが鳴った。
寿貴先生だ。

「花? 仁貴、寝てるか?」

「え? ううん、まさか。離乳食食べ終わって、這いずり回ってるよ。」

広い和室は最高の遊び場だ。
さっきから興奮しまくって、親善大使さながら、愛想を振りまくっている。

「そうか…。 あのな、その〜…」

『もう、ちょっと貸して!』

と言う声が聞こえた。これは美咲さんだな。

「花ちゃん? ごめんね〜。親族でご歓談中のところ。」

「いえいえ。全然です。
どうかしましたか? 寿貴先生、何も言わないから。」

「あ、それなんだけどね。
今からそっちにいってもいいかな? 3階にいるのよ。」

「はい? もちろんいいですけど、何かありましたか?」

「実はうちも従姉妹が来ていてね。
関西からなんだけど。明日の親族紹介の席じゃ、紹介も味気なくなっちゃうじゃない?だから今紹介しようかなぁと思って。皆んな仁貴ちゃんに会いたがってるのよ〜。」

なるほど。
赤ちゃんは最強の親善大使だからな。

「いいですよー。待ってます。」

「じゃあ、すぐ出るわね!」

ブツッ、と。
寿貴先生に代わられることなく電話は切れた。

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