御曹司は魔法使い⁉︎ ② 〜私達、結婚式を挙げます!〜
「…そうか。頑張ってくれ。
いや…実は俺も少し事情は違うけど、医師としてのスタートは大変だったんだ。
3年目で大学院に入ったと同時に、実家の移転の話が持ち上がってな。ここの産婦人科病棟の設立、トゥモローシードセンターの設立、全てに親父と共に意見を出し合って。
自分自身のスキルも磨かないといけないし、論文も書かなきゃいけない。まあ、スピード感と激務で鍛えられたけど。
俺の20代後半は殆ど当直室で過ごしたよ。自宅に帰る時間が勿体無くてね。
藤田先生にとって、この1年は実りの多い年になると思う。体力勝負だ。体調管理だけはしっかりしてくれ。」

「はい!頑張ります!
俺、ずっと桜川先生に憧れていました。
先生の大量の症例報告、いつも学会誌で拝読しています。すごく精力的に執筆されていて、しかも内容も興味深くて。勝手にファンになってました。
まさかその憧れの先生と花が結婚すると思わなかったんですけどね。
花、ズルいぞ!ってこっそり思っていました。」

「…い、いや、俺の症例報告はブログの延長ようなものなんだ…。改めて言われると恥ずかしいな。」

…なんだ。
さっきの嫉妬って、逆か…。
よ、良かった…。

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