捨てられ幼女は最強の聖女でした~もふもふ家族に拾われて甘やかされています!~
「あら、頑張ったわね。ローゼマリー。でも……お姉ちゃんじゃなくて〝お姉様〟でしょう? 私たちは貴族の令嬢になったんだから」
「むう!〝お姉ちゃん〟は〝お姉ちゃん〟だもん! 別に今はいいじゃない。お姉ちゃんたらそういうところ頑固よね!」
「ほらほら、あなたたち喧嘩しないの。美味しいスコーンも焼けたわよ」
「わあ! お養母様、大好き!」
「あ、お姉ちゃんズルい! 私の方がお養母様を好きなんだから!」
 四季折々の鮮やかな花が咲き誇る中庭で、私たちはいつだって笑顔でいた。
 誰かに守られ、大切にされ、愛される感覚。
 それは、親に捨てられた私たち双子にとって未知のものだ。そんな素敵なものを、まるで慈雨のように注いでくれる養父母が好きだった。そして、誰にでも愛される華やかさを持ちながら、私なんかに無邪気な笑みを向けてくれる妹のことはもっと好きで……。
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