捨てられ幼女は最強の聖女でした~もふもふ家族に拾われて甘やかされています!~
 どうも、私が獅子に襲われるのを黙って見過ごすつもりらしい。
 ――鬼! あの人たちは鬼だ……!
 さっきの優しい言葉の数々はいったいなんだったのか。
 やはり他人を簡単に信じたのは間違いだった……!
「ひうっ!」
 本格的に人間不信に陥りそうになった途端、べろん、と大きな舌が顔を舐めた。
 ザリザリッと嫌な音がして、肌が痛む。犯人はあの獅子だ。
 ――私を食べるつもりなんだ……!
 これは味見に違いない。私を喰らうべく、とうとう行動を起こしたのだ。
「ラ、ラララララ……ライオンさん。食べるなら痛くしないで……!」
 死ぬのは構わないが、さすがに怖くないなんてことはない。
 ギュッと目を瞑って、これから来るであろう痛みに備える。
 すると獅子は、凶悪な牙が並んだ口を大きく開き――豪快に笑い始めた。
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