拾った宰相閣下に溺愛されまして。~残念イケメンの執着愛が重すぎます!~
「そうなんですよ。これまで散々こき使われた上に、唐突な長期出張までぶち込まれましたからね。そろそろ休みの1日でももらわなきゃ、仕事を全部放棄して引き篭もってやる。そう陛下に上申したら、めでたく受け入れてもらえまして」
「へー。それはよかったですねー。……え??」
さらりと聞き流しそうになったところで、フィアナははたと気づいた。
「逆に言えばエリアスさん、今日までお休みもらえなかったんですか?」
「そうですねえ。かれこれ、二ヶ月ぶりくらいのお休みでしょうか」
「はい!?」
これにはフィアナも、ついでに言えば隣で聞いていたマルスも、仰天した。酒場やパン屋といったお店なんかも忙しいが、それでも週に一度、安息日だけはお休みをしている。
てっきりエリアスも、安息日は休んでいるのだろうと思っていた。宰相というのはそんなにも多忙を極めるのか。
さすがに同情をおぼえてエリアスを見ると、彼は苦笑をした。