渚便り【完】
「林ちゃんナイス!」
ぐっと親指を立てる伊波。
林崎と伊波は同じ傾向の人間だったから、こちらはこちらでよく絡んでいることが多かった。
こうやって改めて考えてみると、作田と林崎に比べ俺は伊波と会話する機会が少なかった。
同じ班になった時でさえたまに会話をする程度で、こちらが意識してからというもの、あちらが話しかけてこなければ接触することなんてほとんどなかったからだ。
「間瀬はー?」
「俺は別に……」
「甘くて美味しいよ!」
はい、と金平糖の瓶を差し出してくる伊波。
素直になれない俺はこうして彼女に頼るしかなかった。
「……サンキュ」
「どういたしまして」
好きな女の前でらしく振る舞えないだなんて、俺はつくづく情けない男だなと思う。
むしゃくしゃして、口の中に入れたばかりの金平糖を早速砕いてしまった。
ぐっと親指を立てる伊波。
林崎と伊波は同じ傾向の人間だったから、こちらはこちらでよく絡んでいることが多かった。
こうやって改めて考えてみると、作田と林崎に比べ俺は伊波と会話する機会が少なかった。
同じ班になった時でさえたまに会話をする程度で、こちらが意識してからというもの、あちらが話しかけてこなければ接触することなんてほとんどなかったからだ。
「間瀬はー?」
「俺は別に……」
「甘くて美味しいよ!」
はい、と金平糖の瓶を差し出してくる伊波。
素直になれない俺はこうして彼女に頼るしかなかった。
「……サンキュ」
「どういたしまして」
好きな女の前でらしく振る舞えないだなんて、俺はつくづく情けない男だなと思う。
むしゃくしゃして、口の中に入れたばかりの金平糖を早速砕いてしまった。