勇者がうちにやってきた▼【完】
「でも親分くんの気持ち、すごく嬉しかったよぉ」
「ちよこちゃん……」
「あのね親分くん。アタイ親分くんの気持ちわかってるよ」


ちよこさんが親分を視線を交えながら続ける。


「だけど親分くんにとって私が女神のような存在だとしたらぁ、私にとっての女神は姫ちゃんなのぉ。だから私は姫ちゃんのことが大好きなのぉ。わかってくれるよねぇ?」
「それはモチのロンだぜ」
「うん、ありがとう~。でもぉ、アタイもいつまでも姫ちゃんに依存するわけにいかないしねぇ。悲しいけれど姫ちゃんも私も女の子だから結ばれるのはなかなか難しいだろうしぃ。だから女の子の№1は姫ちゃんだとして、男の子の№1は親分くんにしてあげるぅ」
「え、それってつまり」
「まだお付き合いするって言ったわけじゃないよぉ。でもぉ、これからは異性としてのお付き合いを前提に考えて仲良くしようねぇって感じかなぁ」


ちよこさんの言葉に親分の表情はみるみる明るくなっていく。
良かった。ひとまずは親分の努力は報われたってわけかな。
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