天色ガール
「───もう出るか」
枕元の時計を確認してそう呟く。
あたしがこれから通う学校はここから徒歩5分と近い。そこに関しては父さんナイス───
ブーブーブーブー
デスクに置いていた、鮮やかな青の携帯が震え出した。
表示されてる名前を確認してから電話に出る。
「…もしもし?」
『学校、遅れないようにな』
「うん。今から出るとこだけど……何かありました?」
『特に何もないが』
「…それを伝えるためだけに、電話かけてきたんですか」
『あぁ。じゃあな』
プツ、ツーツーツー。
………はい。
今のマイペースな人が、父さん。
あたしに断りを入れず転入手続きを済ませてくるほど自由人だ。
それとどうでもいいけど、あたしは父さんと話す時はなぜか語尾に敬語をつけてしまう。
でもそれは緊張とかじゃなくて尊敬してるからっていう理由で────…