天色ガール
全員の声がぴったりハモった。
それもほとんど無言だった銀髪や金髪まで。
…いくら正体がバレたくないからって、そんなに心配することもないか。
いつも“雨天”の時は男のフリを徹底してたんだし─────
『お前、どっかで会ったことないか?』
それはあたしがナンパと勘違いした、銀髪…輝の言葉。
…………。
いや待て待て待て。
え、なんで!?まさか気づかれた!?
あたし完っ全に“男”だったと思うけど!!?
「…お、お前」
一人で悶々と考え込んでいたら、女嫌いの真琴が初めて口を開いた。
「俺らのことが、嫌いなのか…?」
「はあ!?」
つい大声を上げてしまった。だって一度も言ってないだろそんなこと。
あたしが彼らを、嫌いなわけがない。
「むしろ、“大好き”だから!」
────彼らがいたからあの日、あたしは立ち上がることができたんだ。