天色ガール
「そ、そりゃー断るつもりだけど」
だって守ってもらわなくても大丈夫だし。
「……雨」
この低く響く声は父さんだ。
「何ですか」
ゆっくりと、クモから父さんに目線を移す。
鋭い闇色の瞳があたしを捉えた。
「お前はアイツが怖いんだろ」
─────そうだ。
あたしはアイツが怖くてたまらない。
「逃げてどうする。
“閃光”のことが好きなら、姫でも何でも一緒にいれば良い」
……そんなに簡単なことじゃない。
みんな面白い奴らであたしだって出来るならそうしたい、けど。
「もう、傷付けるのは嫌なんです」
あたしの所為で傷付いた彼らの姿なんて見たくない。