シナプス
虚勢
『虚勢』

紗を風に
なびかせた雨
街灯が照らしだす

傘もささずに
歩く私は
「颯爽と」頭で繰り返す

さっきの別れ話なんて
かもしだしちゃ駄目なの


前を見据えて
カツカツと
早くひとりにならなくちゃ

「女は強くないと」
思うほど
弱虫が疼き出すの

暗い玄関を開けた途端
泣き崩れるのよ、私きっと
< 15 / 19 >

この作品をシェア

pagetop