子ども列車
 ここは、都内にある、某施設ー。
 今日は、半年に1回の里親面談会の日で、多くの夫婦が、施設に来ていた。
 ある1組の夫婦が、小さなイスに座っている、3人兄妹に近付いて来た。
 夫婦は、緊張している、3人兄妹に、目線を合わせた。
 そして、優しく微笑み、夫の方が、1番背の高い子に、声をかけた。
 「1番年上なのは、君かな?
(大人しそうな子だ。)」
 声をかけられた、男の子は、緊張しながら答えた。
 「はい…。
そうです…。」
「そんあに、緊張しなくて、大丈夫だよ。
君の名前を教えてくれるかい?」
「おれのなまえは、きょうすけです…。」
「いくつ?」
「8さいです…。」
「そっか。
教えてくれて、ありがとう。
(今回は、この子達にしよう。)
(いい奴隷になりそうだ。)」
 次に、妻の方が、もう1人の男の子に、声をかけた。
 「あなたが、2番目?」
「はい…。」
「お名前は?」
「ゆうたです…。」
「おいくつ?」
「7さいです…。」
「そう。
(洗濯、掃除なら、出来そうね。)
(使えるわ。)」
 夫婦は、微笑んだ。
 妻は、1番小さい、女の子に、声をかけた。
 「あなた、お名前は?
(この子は、何も出来なさそうね…。)」
「れいなです…。」
「おいくつ?」
「4つです…。」
 れいなは、照れて、ゆうたに、くっついた。
 そこに、院長が来た。
 「ゆっくり、お話し出来ましたか?
(他のご夫婦は、赤ちゃんを見たりしてるのに…。)
(変なご夫婦…。)」
「まだ、挨拶だけで…。
もう少し、お話しさせて下さい。」
 夫の方に、こう言われて、院長は去った。
 3人兄妹は、夫婦と、ゆっくり、色々と話した。
 「(まだ、あの兄妹と話してるわ…。)
(もう一度、声かけてみましょ…。)」
 院長は、夫婦に声をかけた。
 「いかがですか?」
 院長の言葉に、妻の方が答えた。
 「今日1日、主人と話し合って、決めたいのですが…。
いいでしょうか?」
「分かりました。
明日の17時過ぎに、ご連絡させて頂いても、よろしいですか?」
「はい。」
 夫婦は、同時に、返事をした。
 「では、別室で、ご連絡先などw、ご記入頂けますか?」
 夫婦は、返事をして、院長と別室に行った。
 院長は、別室のドアを開けた。
 「さぁ、どうぞ、お入り下さい。」
 夫婦は、部屋に入った。
 「そちらのソファーに、お座り下さい。」
 夫婦は、院長に言われた通り、ソファーに座った。
 院長は、用紙を準備した。
 「では、こちらの用紙に、必要事項をお書き下さい。」
 妻は、必要事項を記入した。
 「ありがとうございます。
明日、ご連絡致しますので、よろしくお願いします。」
 夫婦は、「よろしくお願いします。」と言って、帰って行った。
 面談会が終わり、子ども達が寝ると、院長は、シスター達を集めた。
 「では、本日の面談会の結果を、報告して下さい。」
 報告を受けた結果、0歳〜2歳までの子は、全員、里親が決まった。
 院長は、きょうすけ達のことを、シスター達に話した。
 すると、1人のシスターが言った。
 「それは、怪しいですね…。
きょうすけ君は、育てるのが、難しい年頃です。
それを、わざわざ、選ぶでしょうか?」
「わたくしも、そう思っているのです。」
「院長様。
わたし、少し、調べてみます。
少しずつなので、時間は、かかると思いますが…。」
「シスターしのぶ。
お願いします。」
「分かりました。
お任せ下さい。」
 その頃、夫婦は、自宅で話し合っていた。
 「あなた、今日会った子達、どうする?」
「あの3人兄妹…、欲しいな…。
いい奴隷になりそうだ。」
「でも、末っ子が…。」
「使えなければ、いつも通りにすればいいさ。」
「そうね。」
「明日、施設からの電話、頼むぞ?」
「分かっているわ。」
 次の日の17時過ぎー。
 施設から、連絡があった。
 妻は、「引き取りたい。」と、伝えた。
 院長は、妻に、「2週間後の日曜の17時に、もう一度、施設に来て下さい。」と言い妻は、承諾した。
 そして、妻は、帰ってきた、夫に伝えた。
 2週間後の日曜の17時ー。
 夫婦は、施設を訪れた。
 院長は、院長室に、夫婦を通した。
 「どうぞ、こちらに、お座り下さい。」
 夫婦は、言われた通り、ソファーに座った。
 「では、養子縁組の手続きの書類を…。」
 夫婦は、院長の出した書類を、全て、書いた。
 院長は、書いてもらった書類を確認した。
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