キミと、光さす方へ
「まだ、そんなことを言ってるの?」


あたしの言葉に今度は松本くんが目を見開く番だった。


あたしは今どんな顔をしているだろう。


泣きそうな顔になっていたら嫌だな。


「なにがあったのか知らないけれど、松本くんが人殺しなわけないじゃん」


「どうしてそう言い切れる?」


「だって、とても優しそうな目をしているもん」


そう言うと松本くんは呆れたような溜息を吐きだした。


あたし、なにか変なことを言っただろうか?


「そうやって人のことを決めつけて安心してたら、いつか痛い目に遭うよ」


そうだろうか?


少なくとも松本くんは大丈夫な気がしているけれど。


そう考えた時だった。


外から自転車のブレーキ音が聞こえてきた。


急ブレーキをかけたのか、キキキーッ! と、甲高い悲鳴のような音が響く。
< 133 / 302 >

この作品をシェア

pagetop