キミと、光さす方へ
泉は最初から忠告してくれていたのに、あたしはそれを無視して松本くんに関わった。


やむおえない部分も多くあったけれど、結局は同じことだ。


「それならもう、自分から連絡しちゃえばいいでしょ?」


泉はあっけらかんと言う。


そんなに簡単に言われると、今まで悩んでいた自分がバカみたいに思えてくる。


気になるなら自分から連絡をすればいい。


全くその通りだ。


「とにかく、退院したのかどうかは聞いてみなよ。あたしも気になるし」


「うん。そうだよね」


先生は誰にも松本くんが入院したことを伝えていないようで、知っているのはあたしと勇人の2人だけだ。


今話をしたから泉もだけど。


今日退院するかもしれないとわかっていて、なにも連絡しないというものおかしいかもしれない。


そう思い、あたしはやっとメッセージ画面を開いた。


《琴江:今日、退院できましたか?》


そう打ったところで泉に「なんで敬語?」と聞かれて、打ち直した。


始めてのメッセージにドキドキしてしまう。


それなのに松本くんから帰って来たのは簡潔な一言だった。


《松本くん:あぁ》


そっけないメッセージに拍子ぬけしそうになる。


泉もそれを見て苦笑いをしている。
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