キミと、光さす方へ
でも負けない。


松本くんが徹底的にあたしに冷たくするのなら、あたしはその逆のことをしてやる。


それはまるで宣戦布告のような感情だった。


恋愛感情とは程遠い、勝ち負けの強い感情が溢れてくる。


《琴江:そっか、よかった! 勇人にも伝えておくね!》


《松本くん:別に伝えなくていい》


《琴江:どうして? 友達なんだから伝えるよ?》


そのメッセージには返事がなかった。


友達という部分にひっかかっているのかもしれない。


けれどあたしは気にせず勇人に松本くんが退院したことを伝えた。


勇人は自分のことのように喜んで「今度退院祝いしなきゃな!」と、言いだした。


それにはすぐに泉も乗っかった。


「それなら琴江の家でパーティーしようよ!」


と、言いだしたのだ。


「え、あたしの家!?」


「だってあたしの家は兄弟が多いし、勇人の家はアパートだから騒げないでしょう?」
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