キミと、光さす方へ
☆☆☆

結局、なにもわからないまま帰宅することになってしまった。


「ただいま……」


元気なく玄関を開けて、そのまま自室へ向かおうとする。


その時お母さんがリビングから顔を出した。


「琴江、少しこっちに来なさい」


そう言われて視線を向けると、お母さんが険しい表情で立っていた。


「え? なにかあったの?」


「お父さんが話があるって」


「お父さん?」


あたしはスマホで時間を確認した。


まだ5時半だ。


お父さんが帰ってくる時間にしては少し早い。


本当になにかあったみたいだ。


あたしは早足にリビングに向かう。


部屋に入るとお母さんと同じように険しい顔をしたお父さんが、テーブルの前に座っていた。
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