キミと、光さす方へ
あたしと泉と勇人と松本くん。


なんだか妙な組み合わせでお弁当を囲むことになった。


といってもここは図書室で、あまり大きな声での会話はできない。


「いつもここで食べてたのか?」


勇人はおにぎりを袋から出しながら聞く。


松本くんは本を傍らに置いて頷いた。


「ねぇ、どうして反論しないの?」


急に確信をついて来たのは泉だった。


あたしは思わずオカズを喉に詰まらせそうになってしまった。


慌ててお茶で流し込む。


「そうだぞ。違うものは違うって言った方がいい。言えないなら、俺たちがフォローしてやる」


勇人は自信満々に言う。


しかし松本くんは今度は横に首を振った。


そしてうつむく。


その姿は教室内でいつも見ているのと同じ姿だった。


それを見た瞬間なんだか胸が切ない気分になった。


あたしたちと松本くんの間には見えない溝がある。


一歩踏み間違えて溝に足がはまってしまったら、きっと抜け出すことはできない。


そのくらい、深くて暗い溝がある気がする。
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