月夜に私は攫われる。
そのためか、普通は一年生から三年生を一人ずつ担当のシフトに入れるはずが、このような日は二年生がランダムで一人で担当することになっている。


とは言っても何もしないと流石に暇過ぎるため、本の整理整頓を率先してやっている。

本好きの私にとってはまさに至福の時間である。



「それにしても沢野さんは真面目ねぇ。私がいるんだから少しは休んでも良いのに」



そう感心するような司書さんの言葉に、私はいえ、と苦笑する。


「好きでやってるだけですから」


司書さんはそっか、と頬を緩ませた。
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