俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
そう口にする真凛は、なんとも誇らしげな様子だ。
そういや真凛って、亡くなった父の話を躊躇いもなく日常会話のようにするよな。
二歳の時に亡くなったのだから、覚えているわけがないからか?…周りから両親の話を聞いて育ったのだろうか。そんな想像が頭を巡る。
「ねー黄龍。竜王元気にしてるの?」
「あー。あいつ今ダメ。嫁問題がヤバい。一族揺れてる」
「えっ。結婚すんの。それだけでヤバすなの?」
「天界で一番デカい一族の王だぞ?凄い影響力だっつーの」
神様の世界の人と世間話…どうなってるんだ。もはや正気の沙汰ではない空間だ。
そこに、ハンバーグを完食した様子の豹牙までも会話に入ってくる。
「竜王が嫁を取るとな。それは友人の俺も知らなかったぞ」
「豹牙…おまえの頭めでたいな。おまえは竜王を友人と思ってるだろうが、向こうはそうは思ってないと思うぞ…」
「えー?そう?何で?友達以外何でもないと思うけど」
「あのなぁ…」
あーこれ。豹牙自覚なく嫌われてるパターンだ。竜王という人に何をしたのか知らないが。