俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~

すると、背後にふと人の気配を感じて振り返る。

運悪く、そこには驚愕の表情でこっちを見ながら、こっちに猛ダッシュしてくる知り合いの顔が合ったのだ。

は…!



「れ、伶士っ!なずぽよに何やってんだよー!その女、誰だ!」



げっ…!スズチカっ?!



知る人ぞ知る私のクラスメイト。

伶士のサッカー部のチームメイトでもある、鈴木周人こと、スズチカだ。

焦った顔が物凄い迫力だが、その顔で私のところにやってくる。

狼狽えながら「大丈夫か?!」と、地に座り込んだ私に手を差し伸べるが、あたふたしながら私と向こうへと消えてく伶士らを交互に見ている。



「見てたぞ伶士ぃーっ!なずぽよ突き飛ばしてっ…しかも、浮気か?!酷いことするなよ見損なったぞおまえぇぇっ!」



は…どこから見られてた?!

こっちも迂闊だった…!



だが、スズチカの必死の叫びも虚しく。

伶士と女、花魁女郎蜘蛛は、振り向きもせずに完全に姿を消したのであった。



「伶士、待て!待てよおぉぉっ!」



ヤバい。

めんどくせーことに…!






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