俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~

「は?俺か?伶士を追いかけてきたんだ」

「伶士に?用事でもあった?」

すると、何か遺憾な事を思い出したのか、スズチカは口を尖らせる。



「…昨日からのアイツ、何かスカした感じがするからよー?一発ぎゃふんと言わせるために、カンチョーお見舞いしたろと思ってさ。で、追いかけてきたのであーる」



そう言って、スズチカは指を組み「これな?」と、両人差し指を突き立てていた。

指カンチョー?

「………」

…え?わざわざ伶士にカンチョーするために、追いかけてきたの?

そんな事のためだけに?男子って、よくわからん。

いや、このスズチカという男がよくわからん。

まあ、よくわからんからスズチカなんだけど。

横でヨーテリが《カンチョー!カンチョー!何発でもおみまいしたれ!》と、ワンワン吠えている…。興奮するな!

ちなみに、ヨーテリの姿と声はスズチカには認識されてない。ある程度の霊力を持っていないと、式神の姿は一般人には見えないのだ。



「けど、スカしていた理由がわかったぜ。アイツ、浮気か!他に女いたのか!で、調子に乗っていたんだな?こりゃもう、明日カンチョー二発決定だ!」

「………」

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