俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
鉄板に二枚重ねという、プロレスラー顔負けビビる見てくれのヒレステーキを目の前に。
『えへへ…』と、照れ笑いは欠かさず。
『…では、いただき!』
ナイフとフォークを両手に、ヒレステーキをやっつけにかかる。
もぐもぐと噛んで、お味の程は。
『ん、うまああぁぁっ!…うまーだ!うまー!』
あまりの美味さだったのか、席をガタッと立った。
『久々のほかほかの肉がこれ!…でかしたぞ!伶士!』
『そりゃどうも…』
『ゴム草履みたいなトンカツ、七宝焼のようにテカテカなのになぜか乾いてる鶏の照り焼きに耐えた甲斐があったよ…うまー!』
『いいから座れ』
興奮しすぎだ。
そして、しばらく『うまー』連発を見守ることとなるのだった。
二枚ペロリだぞ。どんだけ好きなんだ。
けど、肉食ってる時の幸せそうな顔。
これが、俺的にはたまらない。
つられて、顔がニヤケそうだ。かわいすぎて。美味しそうに食べる女子、何でこんなにかわいいんだ。
君がいるというだけで、幸せだけど。
そんな君が幸せそうにしていると、もっと幸せだ。