俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
だが、俺の前には親父とこのもさ男。
この状況からして、考えられる内容の話とは、まさか…!
「なずなに代わって、玲於奈がおまえの護衛を担当するそうだ」
「よろしくお願いシマス」
…あぁっ!やっぱり、そんな展開!
頭を下げると、もさもさの髪がもさっと揺れている。
そのもさもさ頭から目を離さないまま、俺は様々な思いを巡らせながら、その場でコチーンと固まった。
こ、こいつがなずなの代わりの護衛?!
じ、冗談じゃない!……大声では言えないけど。
「あれあれ。何か驚いてマスカ」
「……」
えぇ、驚いてますよ。とは、面識しかないこの人には堂々と告げることは出来ない。
もさっとした前髪が目を隠し、表情もイマイチ乏しい。
菩提さんとは別の意味で、何を考えているかわからない。
その怪しさに、只々警戒するだけなんだけど。
「あ。ああ。…心配しないで下サイ。まさか、40のおっさんが制服を着て高校に潜入して、四六時中べったり伶士クンの横にいるわけではありませんヨ。安心して下サイ」
「……」