俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~

朝、忠晴にも指摘され「学校休みますか?」と窺われたけれど、そんな泣き腫らした目のために学校休んでいる場合じゃない。大会始まるのに。

なので、本日は恥を偲んで登校した。



「部室からアイスパック持ってきてやるか?」

「いや、いい…」



俺に気遣いを断られた川村は、気持ち憐れみの視線を送られる。

だが、「そうか…」と、詳しい事情は詮索されなかった。

俺の涙した理由は、何となく察しがついているんだろうか。

「じゃあ、なずぽに『LINEは返信せい』と伝えておいてくれ」

「……わかった」



…だが、川村が気付くなら、他の連中だって気付く。

教室に入ると、一斉に『どうした?』という憐れみと疑念が混じった視線を向けられる。



「伶士、その目…」

「き、気にしないで」

「え?ぴえん?どうした?何で?フランケンみたいだぞ?イケメンのフランケン?」

俺の顔を見るなり、眉間にシワを寄せて質問攻めしてくる陣内は、後ろから颯太に頭をバシッと叩かれている。

「痛っ!……え?何で?」

「馬鹿こら!」

余計なことは聞いてやるなと、お叱りを受けたらしい。



いや、別に気を遣わなくていいんですけど。

俺が勝手に泣いただけなので。
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