スノーマジック!
「もう!冬斗ったらいっつもそう言って!可愛い彼女できないよ?」

雪が頬を膨らませると、冬斗は「まだ小六だからいらない」と返す。雪は「でも来年になったら変わるかもよ?だって中学生になるんだし」と笑い、冬斗の手を掴んで近くにある結婚式場へと向かう。

結婚式場では、白いドレスを着た花嫁とタキシード姿の花婿がフラワーシャワーを浴びながら出てくるところだった。その綺麗な光景に雪は目をとろけさせる。

「素敵だよね〜。私も結婚式するならクリスマスがいいなぁ」

「忙しい時期に式を挙げやがってって陰で言われるぞ。あと、クリスマスとかバレンタインに結婚する奴に限って離婚が多いからな」

冷めた目で言う冬斗に対し、雪は「それめちゃくちゃ偏見だから!」と言う。その時、視界の端で誰かが転んだのが見えた。

「大丈夫ですか?」

雪はすぐに転んでしまった人に駆け寄る。白いお姫様が着るような豪華なフード付きのコートを着た女の子が転んでいた。小柄で着ているワンピースも高そうだ。本当にお嬢様なのかもしれない。
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