キミと同じ世界
—— パンッ
「んじゃ、諸君!教室戻ろうか〜」
マナミが手を叩き、その一声で皆んなゾロゾロと動き出す。
私も遅れないようについていく。
ちらっと後ろを見ると、トウヤは私の背後について何も言わず歩いていた。
そこから教室に一歩入ると、キャアア!と小さな歓声。
声のする方へ視線を向けると、ベランダ側の机付近で固まっている5人の女の子たち。
亀田さんたちだ。
グループの真ん中に亀田さんがいて、彼女を囲むように藤間さん、鈴木さん、田村さん、宮内さんが立っていた。
彼女たちの視線も私たちの方へ向いていて、私はその目に捕えられたかのように固まる。
しかしその視線は私に向けられたものじゃない、と数秒後察知した。
なぜならば、呆然と立ち尽くした私の横を通り抜け、
後ろにいたはずのトウヤが自分の席に向かうべく動き出していた。
彼女たちの視線も同じように動いていた。
「ねえ、もう亀田さん狙ってるねっ」
コソッと私に耳打ちをしたエリ。
エリも亀田さんたちの態度が気になって見ていたのだろう。
あんなにあからさまに騒いでいたら、気づかない方が可笑しい。
「、、そうみたいだね」
溜め息のような、低い声で返した。
彼女たちがトウヤに好意を持つのは勝手だが、巻き込まれないようにしないと。
よりによって亀田さんがトウヤに思いを寄せているなら、なおさら。
トウヤと話したりすることは避けなければ。
決心を新たにし、ベランダ側の一番奥の自分の席へ向かった。