キミと同じ世界
「と、トウヤ、、」
ようやく化石化が解けた私は、ただ彼の名前を口にしただけ。
彼は机に置かれた紙束や資料を目に入れ、
完成した資料の一部を手に取った。
「何これ。雑用?」
彼の視線が私へと移り、先ほどと同じく捕えられるかのような圧が襲いかかる。
「頼まれたの、、」
プイッと視線を逸らし、小さく返す。
ふーん、と空返事が聞こえる。
興味ないなら、聞くなっつーの!
なんて言えるはずもなく、私は左手に新しい資料を持ち始める。
その資料を揃え、トントンと机で慣らし、最後にホッチキスでパチンと止める。
その時、額にバチン!と小さな痛みが走った。
「、った!」
勢いよく顔を上げると、ニヤリと口角を上げてイタズラっこみたいな表情。
今の痛みは彼がしたデコピンで、私はキッと睨みつける。
「いたいんだけどっ!」
少し声を荒げ、スカした顔をしたトウヤに言い放った。
「お人好し。治ってねぇのな」
はあ?
人に物理的にダメージを与えといて、その口から出るのは攻撃とも捉えられる言い草。