キミと同じ世界
「何のこと?ていうか、謝ってよ」
“ お人好し ” の発言にしっくりこなくて、首を傾けるも、数秒前の痛みを思い出し、彼を問い詰める。
しかし彼は謝罪の一言もなく、私の向かいの椅子に腰を落とした。
そして何もなかったかのように、私が先ほど行っていた資料揃えをし始めた。
ん、と差し出された紙束。
私はそれを無意識に受け取ってしまった。
だがふと我に帰る。
「え、何してるの?」
ほんのついさっき、トウヤが私に放った言葉を、今度は私が問いかけた。
彼は次の資料を集める手を止めずに、「ん?」と声だけが返ってきた。
伏せた瞼から伸びる睫毛が長く、
お人形さんみたいだと思ってしまった。
「先生待たなきゃいけねえし、暇つぶし」
サラリとそう返され、彼は作業をする手を止めない。
たしかに会議が終わるまで時間はあるが、、
「でもっ、、歓迎会あるんじゃないの?」
私とエリが教室を出る時、亀田さんはその話をしていたはずだ。
しかも、その主役は目の前にいるトウヤだ。
主役がいないんじゃ、その会に意味はないようなもの。
私はじっと彼の回答を待った。
「断ったよ」
私に目線もくれず、一言。
「なんで?」そう問いかけると、
彼はようやく顔を上げた。
彼の真っ黒な瞳が私を映した。
「ミズキ来てくれないじゃん」
—— な、
なにそれ。