シンデレラは、ここにいます。〜嘘恋〜
「気になる?」
隣の空くんから低い声が聞こえた
「別に…気になんてならないけど…」
「そっか…
それなら、恋々ちゃんもあ~ん…」
「え?」
空くんが
今度は私の口にパンケーキを近付けた
「恋々ちゃん、あ~ん…
さっきのお返し!」
「あ、そっか…
あ~ん…」
「恋々ちゃん、かわいいな♡
口にめっちゃクリームついてる
口ちっちゃくて、かわいいし!」
空くんが私の口元を指で拭いてくれた
恥ずかしくて下を向いた
カメラも
みんなの視線も
こっちを見てる気がした
雨登くんは?
ドキ…
ドキ…
ドキ…
ゆっくり振り返ったら
もぉ雨登くんはいなかった
雨登くん…