私しか、知らないで…

彼女がうちに来ることになった



女の人を連れて帰ったオレを見て母は驚いた



「この子、ちょっと変わってるから…
彼女なんて一生できないと思ったのに…
しかも、こんなに綺麗な…」



リビングで飲み物を出しながら母が言った



「聞いてないですか?
私、彼女じゃないんです」



「え、あ、そーなの!
そーよね
じゃあ…?」



「亜南くんの受験勉強を
お手伝いさせてもらおうと…」



「アラ、家庭教師?
助かるわ
この子、塾行ったことなくて…
小学校の時に行ってた塾の先生と喧嘩して
それから行ってないの」



「亜南くんぽいですね」



彼女がオレを見て笑った



オレっぽいって…

知り合ってそんな経ってないのに
オレの何がわかるの?



ふたりの話が盛り上がって

ずっとリビングで話してた



結局勉強なんてみてないし…



ふたりが話してる横で

オレはひとり問題集を開いた



笑い声がすると気になって

あの人を見た



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