私しか、知らないで…

北翔と久しぶりに一緒に帰る気がする



「井上さんと
付き合ったりとか…してないの?」



「うん、別に…」



「へー…
いつも一緒に帰ってたみたいだから…」



「んー…
それっぽいことは言われた」



「それっぽい?」



「花澤さんと付き合ってるの?って」



「へ?私と?なんで?」



「付き合ってないって言ったら
私と一緒に帰ろうって」



「つ、付き合ってる?
私と北翔が?
はい?…は?」



「だから、ちゃんと否定したから」



「うん、そぉだよ
って、ことは…
井上さんは北翔のこと好きなんだね!」



「知らん」



「かわいいし、いーじゃん!
北翔が告白してくれるの待ってるんだよ!
北翔、女心わかんないの?」



「オマエだって女心なんてわかんねーだろ!」



うん

男だもんね





なのに

なんで昨日…



「昨日…
帰りの電車で痴漢にあったの」



「え…」



「ひいた…?」



「いや!ひいたとかじゃなくて…
花澤、大丈夫?」



「うん、笑っちゃうよね
なんで、私なんか…
明日からは、ひとりで大丈夫
もぉ一生、痴漢なんかあわないよ」



「オレは、笑えないけど…

ごめん、オレが井上と帰ってたから…」



北翔も先生も悪くないのに

謝ってくれる



「なんで?
なんで、北翔が謝るの?
北翔に責任ないし…
だから明日からはまた
井上さんと帰ってよ!」



「別に…

ホントは、花澤と帰りたい」



「え?」



「あ、ラーメン食べ行こうよ!
だから、花澤と帰りたかった」



「ラーメンも牛丼も
井上さんと行けばいいじゃん!
私、帰ったら先生に電話入れなきゃだから
寄り道できない」



「井上とは、行けない」



あ、そっか…

はずかしんだよね



「じゃ、前田と行ってよ」



「うん…そーだな」



北翔がすんなり諦めて

なんとなく寂しかった

行ってあげればよかったかな



< 67 / 250 >

この作品をシェア

pagetop