許す事ができるの?

···思いがけず


そして、二人に連絡をした。


由紀子にとって
  大きなかけだった。


咲茉は、ママっ、ママっ
と、恵の背中を擦っている。

事故の現場には、パトカーや
救急車が駆けつけて
騒然としていた。

由紀子は、恵のそばに座り
恵の脈をみたり
腕を擦ったりしながら
咲茉に大丈夫だよ
と、声をかけた。

その時に·····

「恵!」
「恵!!」
律と陽史が走ってくる。

「パパ!! 陽ちゃん!!」
と、咲茉が叫ぶと

下を向いていた
恵が顔を上げて
ふるえる手を····

  差し出した········




  ·····先は······






   ····陽史だった······


陽史は、恵を抱き締めて
「ごめんね。ごめんね。」
と、何度も言いながら
抱き締めたまま
恵の背中を撫でていた。

心配して近くにきた
咲茉の頭も優しく撫でる陽史。

恵は、安心したのか
陽史の胸で意識を失くした。

陽史は、恵を抱き上げて
由紀子の誘導で近くのベンチに
一度、腰かけ
由紀子に向かって
「ご連絡、ありがとうございます。」
と、頭を下げた。
 
その顔には、疲労が見え
「あなた達は、似た者同士だわ
優し過ぎるの。
優しさは、大事だけど
それで失っては、なにもならないわよ。」
と、由紀子が陽史に言うと

陽史は、由紀子の言っている
意味が解り何度も頷いた。

陽史と恵
由紀子と咲茉と律は、
各々タクシーに乗り恵を
二人の住むマンションへと運んだ。

陽史は、
恵をリビングのソファーへと寝かせて、
手を握り締めていた。

由紀子は、恵の口からハンカチを抜き
少し血がついているが
問題ないと思い
咲茉に訊きながらお茶の準備をする。

その間、陽史は、恵の手を握り
自分のデコにあて
祈るような姿勢をしていた。

落ちついてくると
由紀子と律は、
恵らしく、綺麗でキチンと
している部屋を見渡していた。

律にもわかっていた。
恵が、自分に気持ちが全くない事を

ただ、咲茉は可愛いし
いつか、恵とも前みたいになれたら
と、思っていた。
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