こんな思いを···いつまで

···翼編


父から呼ばれた。

「総帥、如何されましたか?」
「翼か?中に入って座りなさい。」
「はい。」
「大倉に四月から一人入社させる。」
「四月にですか?
もう、新入社員は研修が
始まっておりますが。」
「わかっておる。
一年だけ、会社とはこういう物だと
言うことの勉強をして貰うためだ。」
「一年だけですか?
どの部署へ配属をされる予定ですか?」
「お前の秘書だ。
一年後、お前との結婚が
決まっておる。
鮎川財閥のご令嬢だ。
今、お前に付いている山本の下に置け。
それから、山本とは手を切れ
四月までにだ。良いな。」
「総帥ですが!」
「翼、ずっと言ってきただろう。
財閥を継続させるには、
財閥同士が手を組む事が
一番なんだ。
今までは、お前の自由にしてきた。
だが、もう相手が決まったんだ
進むしかない。
ただ、山本が愛人でも良いと言うなら
別だが。
どちらにしろ、お前の血が繋がる
男の子がほしい。
愛人にするにしろ
子供を作るにしろ
鮎川のご令嬢には
きちんと許可を得ろ。
嫌だと言われたら切りなさい。
山本が騒ぐなら、退職させる。
良いな!早急に動きなさい。」
と、言われて
「下がってよい。」
と、言うと父は書類を確認し始めた。

俺は、部屋を出るしかなかった。

山本 静とは、付き合い始めて
三年になる。
静は、優しくて料理も上手で
このまま結婚して·····
と、思っていた。
それなのに······

財閥に生まれた性なのか·····
くそっ····
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