こんな思いを···いつまで

その父の話しとは·····

「卒業後は、大倉の会社に入りなさい。
大倉財閥の翼君とは許嫁同士だ。
一年後挙式を行う。良いな。」

「何て勝手な!
私は、結婚は致しません。
ボランティアでピアノを弾きながら
ピアノを教えたいのです。」

「お前の考えや意思などいらない。
女として産まれたのだから
それを使うしかない。
嫌、それしかないだろ、お前には。
今まで、好きなようにさせてきた
充分だろ?遊びは。
母を、妻を、私から奪ったんだ。
一つでも役にたて!!」
と、吐き捨てるように
言うとその場から出て行った。

なんて····こと·····

 どうして····こんな事を····

  言われない·····と··いけないの····

おかあさん·······は······どうして

   私を····生んだの·····


母は、私を産むかわりに
命を落とした。
父と母も政略結婚だったが
父は母を愛し大切にしていた
そんな母が
命と引き代えに生んだのが···私だ。
そんな私を父は、憎み嫌った。

父は、私にまったく興味がないから
私は、日本を離れるつもりだった。

その事は、秋穂様にも話していた。
だが、今回の話しは出来ない
秋穂様に迷惑がかかるから·····

私は、その夜
涙が止まらずに
ずっと泣いていた。
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