こんな思いを···いつまで
十六話

···式


アークが誕生して半年後に
マシューとひまりは挙式を挙げた。

入籍は、済ませていたから
式のみを
アメリカと日本で二度行う。

挙式の報告は、ネットにて配信する。

アメリカでは、
モルガン邸で働く皆と
モルガン財閥で働くトップの方々のみ。
アークの紹介を兼ねた。

ひまりは、
真っ白のベルラインのウェディングドレス
頭には、モルガンに嫁ぐ者が受け継ぐ
ティアラをつけ
漆黒の髪のひまりに
真っ白なドレスは
神々しいもので
その横に、これまた美形の
マシューが立つと
神秘の世界にいるようだ。

神父様の前で愛を誓い
指輪の交換を行う
ひまりの左手
マシューの左手に
同じ指輪が嵌まる。

ひまりは、婚約指輪でも
嬉しかったのに
マシューと一緒だと言う事に
笑みが漏れる

それを見ていた
神父様始め、出席者は息をのむ
マシューは、そんなひまりの
左手を取り指輪にキスをして
『永遠に』と、囁いた。

日本では、お世話になった
秋穂様を始め
三井、三菱、住友財閥の総帥と
宮子様、叶様のみの式。

この時、ひまりはマシューの願いで
白無垢と色打掛を着た
マシューは、袴でなく
燕尾服にした。

とても美しく
秋穂様は、ポロポロと涙をこぼした。
宮子様、叶様は、
家の息子に欲しかったと
ずっと、騒いでいて
総帥方を困らせていた。

そこにアメリアがアークを
連れてきた。

この六名の方には
自分達から伝えたかった。

皆さんにアメリアを紹介する。
とても良くしてもらっていると
アメリアにも皆さんを紹介した。

アメリアは、
『ひまり様に支える事が出来た事を
心から嬉しく思っております。』
と、頭を下げた。

アメリアからアークを受け取り
マシューは、
『息子のアークです。』
と、言うと皆、息をのむ
『マシューは、
たとえ、私の血が流れてなくとも
ひまりの血が流れているのであれば
間違いなく
私、マシュー・モルガンの息子です。』
と、言うと。

秋穂様より
『ひまりちゃん、マシュー君
おめでとう。』
と、言ってもらえて
皆様からも、祝福を貰えた。

マシューが、アークをひまりに渡すと
アークが目を開けて
ひまりを見て微笑んだ。

その瞳に、皆びっくりして
ひまりとマシューをみる

『アークは、奇跡の子です。』
と、ひまりが口にすると
今までに、見たことのないほどの
慈愛に満ちた
ひまりに息をのむ。

子供を産んで
美しさに拍車がかかり
その上に凛としている。

それに、ひまりの回りのSPからも
マシューのSP達からも
ひまりが慕われているのが
わかる。

アメリアは、
『ひまり様は、モルガン邸に
ファンが沢山ございます。』
と、言うと
マシューは、気に入らないようだったが
SP達がみな、頷くから
ため息をついていた。

秋穂も充彦も
そんなひまりの幸せそうな
顔をみて、嬉しかった。

充彦が
「ひまりちゃんが、気にしていた
大倉の秘書の菅さんと総務の山内さん
夫婦は、三井と三菱さんが
引き抜いたよ。
夫婦で別の会社になったけど
二人ともひまりちゃんに感謝していたよ。
それと、大倉には女の子が産まれた
って。
大倉は、もう財閥から外れて
小さな会社で、頑張ってるよ。
力があれば這い上がってくるし
そうでなければ、終わるね。
鮎川さんは、財閥を親族に任せ
表には、出てこないよ。
墓守をしていると
噂を聞いたけどね。」
と、教えてくれた。

秋穂様は、
「五月も菫様も、喜んでいますよ。」
と、言うと宮子様も叶様も
頷いていた。

名残惜しいが
皆様に別れを伝えて
プライベートジェットで
アメリカへと戻った。

機内でひまりは、
『マシュー、ありがとう。
日本に連れていってくれて。

秋穂様や充彦様、皆様に
私の幸せを見せることが
出来て、本当に嬉しかった。
ずっと、心配ばかりかけていたから。』
と、言うと
マシューは、
『ひまりの為なら
    惜しまないよ』
と、言ってキスをした。
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