SP警護と強気な華【完】

記憶がフラッシュバックする。


6歳だったカトレアの両手には
母親と、父親が優しく穏やかに笑っていて。


遠くで祖父がいて手を振り、呼んでいる。

祖父の隣に立っていた
同じくらいの男の子。

彼が、そう――


「シオンさん…」

彼の事も思い出した。

父親は再婚であり
前の女性との間にはシオンが産まれていた。

だからカトレアとシオンは
【異母兄妹】だったのだ―――


誘拐のあと
父親はシオンと家を出て行ってしまったため
ずっと思い出す事がなく
接触させなかったのも記憶を戻さないようにだ。

「そんな…今になって…」

2人を失った今
ようやく思い出した過去に悲しみだけしか残らない。
< 146 / 153 >

この作品をシェア

pagetop