SP警護と強気な華【完】
しかしそんな気持ちが彼に伝わるはずもない。
「縫うほどじゃないな」
大丈夫とわかったからか
スッと手を放されてしまい
カトレアも我に返り彼から視線を外した。
(なんでこの人に照れているんだろ、私…)
警護してくれている相手に不覚にもドキっとしてしまった事を、頭を振って目を覚まさせる。
「押さえたまま
そこに座れ」
あいかわらずの命令口調だが素直に応じ
料理を中断して椅子に腰掛けた。
そうしてる間に
柊はどこからともなく黒い小ポーチを取り出し
中から消毒液とガーゼ、絆創膏を手にして
器用に処置を始めていく。
チラッと見えるは裁縫セットにガーゼや包帯。
その他にも諸々と入っていて
極め付けの体温計には驚かされた。
「そのポーチ
いつも持ち歩いているんですか…?」
些細な質問をしてみると。
「当然だろ。
アンタみたいに怪我するヤツばかりを警護してんだから」
嫌味が返ってくる。
(怪我させない為に警護しているんじゃ…)
そもそも柊が驚かせなければ
流血せずに済んだものだ。